2013.5月

13.05.22【その2】あっ!

なんと粋なことを。

展覧会の担当K氏がこんな企画をしております。
日々、楽しみにしておこうっと。うひひ。


 
 
 
いろいろ考えた結果の選択だからどうあれ胸ははっておくものの、
制作に使った「写真から取り出した R」の精度にジレンマのあった人間としては
写真のまま、というのはひとつの提示の仕方として “アリ” なのです。
 

でもどちらも実物には負けるので、ぜひ生でご覧くださいませ。
タイポグラフィ 2つの潮流

13.05.22【その1】

ものすごく壮大な夢を見る。
壮大だったことと、終わりの少しを覚えているだけなのだが
とにかく長時間夢を見ていたみたいだ。
 
おかげで健康診断を逃してしまった。明日は気をつけよう。
 
 

今日も整理整頓。
じっくり集中できる場があって、幸せです。
 
 

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何について語るにしても、その対象への愛がなければならぬ。
愛がないのなら黙して語らずにおけ。

〈『夢のような幸福』三浦しをん 新潮文庫〉より
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13.05.21 整理整頓

プロジェクトの資料を整理する。
ほんの少し前のことなのに「これはいつの資料だっけ?」というものもたくさん。
まだ記憶の片隅にとどまっていてくれる間に整理してしまわないと
ただの紙束、どころか紙クズになってしまいかねない。

…ということで時間に余裕のあるうちにせっせと。
 
 
自分の記憶もとどまっているものを今のうちにつかまえておかないと
忘却の穴からぽろぽろ落ちてまた改めて拾わなくてはいけなくなる。
そうするとせっかくの疑問も欲求もまた最初からだ。
だから今回のことは、そうならないように使い勝手のいい引き出しに入れておこうと思っている。
 
 

夕方から、8月に開催されるプログラムについての打ち合わせ。
このメンバーで何かをするって楽しくて好きです。
対象者のためになにをしたら一番いいか、を自分の立ち位置からきちんと考えよう。
内容的なことも近いせいか、授業にも通じるものがあるなあと関連づけつつ。
対象は限られているのですが、お知らせできるようになったらお知らせします。 
 

夜、去年からのプロジェクトの仕上げのためにMさん宅へ。
Mさんに会うと、いつも私は自分って頭も身体を使ってないなあと思う。
もっとシナプスの繋がった頭にしたいなあ。
 
アウトプットしたものを「もうちょっと…」「このくらいが…」と微調整して
とてもよいグループができた。受け取る人に気に入ってもらえるとよいな。
残すところ、あとひとつでこのプロジェクトも完了。いよいよだ。

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◎本日の読了
『観光』ラッタウット・ラープチャルーンサップ/古屋 美登里(訳) ハヤカワepi文庫

13.05.19【その2】参加してきた

夕方、O先生のプログラミング講座に行く。S嬢をそそのかして。
今日は人数が壊滅的に少ないと聞いたのだけれど行ってみたら本当に少なかった。
途中からの参加でやや迷惑をかけつつも楽しく参加。

プログラミングは頭の中で考えているだけだとこんがらがるので、
途中からO先生のPCを借りてS嬢と「これがこうだから…」「それならここは…」と
ああだこうだ相談しながら課題に取り組む。
やっぱり動くと「おお〜!」ってなる。

大いなる門外漢だと思っているので、間違っても、変なこと聞いても
全く気にしないでいられるのでラクチンだ。
それにK下さん(=生徒1)も言っていたけれど、
どんなに変な質問をしても、とんちんかんなことを言っても、
そのことに眉をひそめる人は誰もいないのです。
ニュートラルにそれを受け止めてくれる人たちばかりがそこにいる。
学びの場とはそうあるべきだけれど、意外とそれが叶っている場って多くないよなぁ。

途中、RGBであれこれと実験。
「Y」という概念のない世界は不可思議だ。
足していくと白になるということはわかっても、具体的な想像がまったくできない。
数値を調整しては思っていたのと違う色になって、ぐぬぬ…と思っていたら
すぐ横に「RとGとBに詳しい」S本さんがいて
ささやかな声で「…そうじゃなくて…」とヒントをくれる。
思わず「ここにプロフェッショナルがいた!」と叫んでしまった。


言ったことを忠実にやってくれる(または言ったことしかやらない)という
プログラミングとコンピュータの関係って実は好きだ。
(ほんの一文字のミスに気付くのに数日かかったなどと聞くとそら恐ろしいけれど。)
なんだか、パズルをしているように思うからかもしれない。
あるいは異国の言葉を理解した瞬間のようにも思えたり、化学式を正しく書けた時の
気持ちよさにも似ているからだろうか。

そういえば、数学では「証明」が好きだった。
「◯◯だから☆☆となる。QED」
そんな原因と結果がはっきりとみえる世界はなんだか爽快だ。
一方で理由のよくわからない世界、というのもやはりとても好きなのだけれど。

ともあれ、全く詳しくなくても、プログラミング言語を書く行為は楽しい。

13.05.19【その1】観てきた

友人たちが展示をしているというので
木場のEARTH+GALLERY, gallery COEXIST-TOKYOに『幽体離脱しちゃったみたい。』展を観に行く。

いやはや、ギャグだなあ。(←変な意味でなく)
もちろん真摯に展示をしているのだし、そのことはよくわかっているけれど、
なんだかスコーンと抜けるようなギャグ感が漂っていて
始終脱力した笑いがこみ上げてきました。特に2Fはそんな感じ。


たけのくんは80’sの追求の仕方が圧倒的で、いつみても完成度が高いなあと思いました。
ラジカセもチャーミングシールも、文具も、何もかもが80’sの女子の部屋で
「ぎゃー!あったあった!こういうのあった!」と大盛り上がり。
かつて、通ってきたモノが時間を越えて目の前に現れると「異様なリアル」が表出して
そのことにちょっと愕然としました。
自分が大事にしていたものよりも、何気なく日々の中にあったものの方が
その異様なるリアルを突きつけてくることにも。
それは「いまここにある」というリアルではなく「かつて生きた日常」という化石的なリアル。
形と配列で “当時” を定着したままのチャーミングシールを見た感覚は衝撃的で
これは数百年前の遺跡の発掘で人の痕跡を見つけたのときっと同じ感覚だ、と確信しました。
(発掘したことないけど。)

 
それから話には聞いていた、身体にハムをつけたロボットを見ることが出来て大満足。
人見麻紀さんの「HAPPY LAND」という作品です。この作品、かなりいい味でした。
身体にハムを巻き付けたロボットが大きな風船の力を借りながら
四足歩行をしつつ、こどものような人工音声で
ちょっと音程が外れ気味に「ドナドナ」を歌う。
彼(あるいは彼女)にそうするように指示を出しているのは
特殊なメガネをかけなければ見ることの出来ない
ディスプレイ内のかわいらしいクマ。
顔もない四つ足から歌声が聞こえ、歌い終わるとクマがいかれた声で「すごいねー」という。
そうすると(意図してのことかどうか)四つ足がしばらく痙攣。
そしてまた「ドナドナ」を歌う。

このシチュエーションで「ドナドナ」ってところがすごい。
そして、ハムを巻き付けるとか可愛らしいクマってところがとても女性的だと思いました。

ここで醸し出されるのは明るい狂気。
でも決して狂っているんじゃなくて、
彼ら(あるいは作家)にとっては当たり前の幸せな世界なのだろうな。
ただそれが外在化すると狂気的に見えやすいだけで、
狂気的な質感をしたふつうの世界。
私もその存在を信じられるくらいにはこの世の中を観てきたみたいだ。

13.05.18【その2】wall

昨日K氏からお知らせのあった「壁」を観に行きました。
今回は物質性による原因と結果を経験したのですが、
いろいろあっても感慨深いことには違いなくて、あっちから見たりこっちから見たり。

展示準備が佳境の会場も覗かせてもらって、
準備作業中のK氏&N氏と3人で、起こった出来事やら
思ったことやらをつらつらと話しながらも
私はなんだかずっとにまにましていました。

思うところはそれぞれいろいろ、たくさんあるんだけれど
何かがカタチになっていくことそのものはどうしたって嬉しいことです。
それが自分ひとりではなく仲間と作ってきたものであればなおさら。

ぜひどうぞ、観に来てください。
タイポグラフィ 2つの潮流

13.05.18【その1】print

今日は担当授業の日。
恐らく学生にとって一番楽しくて一番大変な刷り工程でした。

全員で印刷しながら進めるので、どんなに頑張ってもてんやわんや。
時間もかなりタイトです。
もうちょっとうまい進行を…と毎年考えるのですが
思ったとおりにはいかないのが正直なところ。もっと考えなくては。
でも、紙に自分たちの作品が印刷された瞬間の学生たちの「わあ!」という歓声は
いつ聞いても、大切。

ものづくりの道に進んだ人間の、根源的な喜びの声だなと思うのです。
便利でスピードの速い世の中だけれど、その根源は胸に刻んでいて欲しいものです。

13.05.17

私の仕事は手を離れましたが、その間も準備が進むプロジェクト。
いよいよ来週月曜日がオープンです。

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タイポグラフィ 2つの潮流

会 期|2013年5月20日(月)-8月18日(日)
休館日|日曜日(6/9(日)、7/15(祝)、8/18(日)は特別開館日)
時 間|10:00-18:00(土曜、特別開館日は17:00閉館)
入館料|無料
会 場|武蔵野美術大学美術館 展示室3
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今日は、会場入口壁面が完成したとK氏からお知らせがありました。
自分が関わったものが大きな壁面になったと思うと
やっぱりいつだってドキドキします。今回はいろんな意味でドキドキですが…。

武蔵野美術大学 美術館・図書館twitter(@mau_m_l)

タイポグラフィに興味のある方はもちろん、
そんなものに興味はないなぁという方にだって、ただ眺めるだけでも楽しんでいただける
とても美しく、また挑戦的な書物の数々が一堂に会します。
会期は長めですので、ぜひぜひお越し下さい。
なお、会期中に講演会やワークショップも開催されますので
そちらも情報を確認してみてください。

「でも、ムサビは遠いんだよなあ…」という方もいると思いますが、
今回はおおよそ同時期に下記の展覧会も開催されています。
タイミングを計れば、一気に4つの展覧会を見るのも夢じゃない!(しかも無料!)
…ということでぜひぜひ。

ET IN ARCADIA EGO 墓は語るかー彫刻と呼ばれる、隠された場所」2013年5月20日(月)-8月10日(土)
ムサビのデザインⅢーデザインが語る企業理念:オリベッティとブラウン」2013年6月3日(月)-8月18日(日)
書とデザインー書家・アーティスト 潘 微(Pan Wei)の作品と教育」2013年6月3日(月)-7月27日(土)

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◎本日の読了
『書物法廷』赤城毅 講談社文庫

13.05.16

地元に戻るF嬢を囲んでいつものメンバーで送別会。
といっても、普段と変わらぬ飲み会で、
気分的にも「まあ、またすぐ会えるよね」という感じ。

阿呆な話をしたり、思わず仕事の話になったり、
とても楽しゅうございました。

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◎本日の読了
『さよならソルシエ』1 穂積 小学館

13.05.15 【その1】観てきた

千葉へ「仏像半島」展を観に行く。
今回の千葉市美術館はいつもとずいぶん雰囲気が違って新鮮。

第一会場では、展示のひとつの目玉・小松寺の薬師如来立像はもとより、
(この仏像は本当に不思議!)
佐倉市密蔵院の十二神将の表情豊かさに感嘆したり
(「子」と「申」は最高だし「丑」もなかなかの表情)
同行のS嬢に「………」という反応をされつつも、
富津市東明寺の十二神将立像のイケメンぶりにほれぼれしたり。
こんなにバラエティ豊かな仏像たちが千葉にはあるのだなあと思わずにはいられない。
実際、来場者の方が「千葉って意外とすごいね」と口にしていて
「そうだよねえ、そう思うよねえ!」と心中で大きく同意してしまった。

第二会場は入口からかなりの迫力で、大振りの金剛力士像と四天王立像がお出迎え。
この辺りから個人的に四天王などに踏まれている邪鬼に大注目する。
仏像の雰囲気によって邪鬼のつくりも様々で、
コミカルだったり、すましていたり(踏まれているのに!)、躍動感にあふれていたりと楽しめる。
市川市弘法寺の四天王立像の邪鬼は躍動感があって面白かった。

お顔ばかりでなくたたずまいそのものが
「ああ、美しいなぁ」という仏像が本当にたくさんあって
深い信仰の対象であるからこそ、美しくなり、
美しいから自然と信仰を寄せる…という循環を素直に思うことが出来た。
「美しい」というを語るのはとても難しいけれど、
頭で考えるよりも先にどうしても感じてしまうものだとすると、
それを感じるように出来ているヒトというのは本当に興味深い生き物だ。

絵画はなんといっても成田市新勝寺の「十六羅漢図」。
1対の絵画の中にとてもたくさんのストーリーが描かれていて、羅漢に詳しくなくても面白い。
S嬢と「あ、縫い物してる!」「顔が映ってるよ!」「なんかすごい勢いで水が出てる!」などと
あちこち観察してずいぶんと楽しめた。
それにしても、聖人なのになんであんなに悪そうな(失礼…)顔をしているのだろう。

展示替えはあるものの、会期は6月16日までなのでぜひおいで下さい。
Twitterなどでも好評のようで嬉しいなぁ。

仏像半島 Twitter


そして、制作したグッズとようやくご対面。
手ぬぐいは4色あるうちの紫と渋めの水色がよく売れていて、在庫が切れる寸前だとか。

落花生もコンスタントに売れているそうです。
時々「?」となっている方もいるようですが、
本物の落花生(中身入り)に絵柄を刻印しているのです。

一筆箋は個人的に「!」な出来事があったのですが、
一筆箋コレクターの友人に喜んでもらえたのでよかった。