2014.7月

14.07.26 ワークショップ

ご縁があって、DNPのコミュニケーションプラザ ドットDNPで開催されている
世界のしかけ絵本』展の関連ワークショップを担当しました。

夏休みの自由研究〜しかけえほんを作ろう!〜」と題したワークショップでは
小学生を対象にもっとも原始的なしかけ絵本のひとつである「ピープショー」をつくることにしました。
「ピープショー」を初めて見た時、私自身がその簡単な構造に反した大きな効果にとても感動した経験があり、
それを子どもたちにも体験してもらえたら…と。
そしてモチーフは夏、ということもあって「海」を設定。昔の自由研究に、箱の中に水族館を作るというのが
ありましたが、そのイメージものっかっています。
素材作成のために友人のイラストレーター、まえだなつこさんにイラストを描いてもらったのですが、
予想どおり、抜群!の仕上がりに私は準備段階からウヒウヒしてしまいました。


当日は小学1年生から6年生まで幅広い参加者を迎えてのイベント(1回90分/全2回)に。
サポートスタッフの学生や書架Lab.スタッフのFの協力におおいに助けられながらなんとか無事に終えることが出来ました。
色を塗ったり、ハサミを使ったり。そうしたことをどのレベルで求めていいのかは探り探りでしたが
子どもたちは想像以上のポテンシャルを発揮してくれて、こちらが驚かされるばかり。
色の塗り方、物語の設定、そうしたものはとてもかなわない!!と脱帽です。

「このカメは縁結びのカメなんだよ。カップルのダイバーで会うといいことがあるんだ」
「ここはダイバーが魚とあいさつしているところ」
「ダイバーをカメにのせてみたよ」
「これはオリジナルのサメ。ツノが生えてるんだ」
「あ、そうだ!ここは7色にしようっと!」
「マダコだ!…マダコだから〜、この色だな!」

制作の中に生まれる「!」はとてもキラキラしていて
彼らの中に繰り広げられる物語を全部全部記録したいくらいでした。
保護者の方の待機場所が少し離れていたこともあって、
子どもたちの思いの向かうままに作られた作品たちは伸びやかで自由で、
この感覚をずっと持っていて欲しいなあ、と強く思わずにはいられませんでした。
誰もがこんなに「ものをつくる」ということが身近だったのに
いつの間に美術を苦手にする人が生まれるんだろうなあ、などと考えてしまったりもして。

ワークショップは何かを提供しているようで、こちらがもらうものの方がずっと多いな、と
本当に痛感します。まだまだワークショップの経験は浅いけれど、
もらったものを還元しながら、コツコツと展開していけたらいいなあ、と思います。


ちなみに「ドットDNP」は市ヶ谷にあります。
私は今回初めてお邪魔したのですが、カフェもあり、体験ブースやワークショップ企画もあり、
楽しい場所でした。HPをみても「これ、面白そうだな〜」と思う企画があれこれあって、
思わず参加してみたくなるのでした。ぜひぜひ、一度足を運んでみてください。
「印刷」が放つ可能性がそこには広がっています。