2014.4月

14.04.23 謎だから、楽しい

今日はS本さんの気になる「謎」をみんなで聴く。
装飾古墳についていろんな話を聞いたり、写真を見たり。
こういうものは結局、どんなにそれっぽい理屈がついたところで
それが正解ではないし、そもそも正解かどうかを確かめる術もない。
「これなら私たちは納得できるようだ」というのがせいぜいで、
その精度を世界中であげていく世界なのかもなーと考える。
(こんな(↑)言い方は乱暴かもしれないけど、
 その行為はとても素晴らしいことだ、と思っています。)

だけど、「なんでだろう?」「これは◯◯かな?」「こういうことだったとか?」
なんてみんなで話をするのはなんだか楽しい。
それはきっと、相手にしているものが「謎」だからだ。

人間はどんなものにも理由や意味や解釈をつけたがるけれど、
(それはとても人間らしいこと、だとも思うけれど)
その一方で答えなんて欲しくないものもある。
だって、答えは面白くもない内容で想像力の翼を暴力的にへしおったりするから。

人間はどんなものにも理由や意味や解釈を欲しがるけれど、
その一方で、自分たちの想像力とその可能性を
「答え」などに邪魔されずに解き放っておきたい生き物でもあるのだ。
それもとても人間らしい、と私は思ってしまうのです。


今日ご一緒した方が、
『意味を知る前の方が、意味に触れていた気がします』とおっしゃっていた。
ああ、まったくもってそうだなあ、ぴったりだなあ、とじーんとする。


何ごとも最初に生まれた時は純粋であった、ということは信じられるな、と考えてみたり、
それがいつか形骸化するのもどうやら想像できるな、と思ったり。
例えば、私たちが使っている言葉はずっと日本語だけれど、
昔と今とでは随分違うのも、今でも新しいことばが日々生まれているのも
ことばが形骸化して本当の意味がすり切れていくことに対しての
人々の抵抗なのかもなあ、と思えた帰り道。

思考はいつもあっちこっちしている。

14.04.16 会場設営2日目

府中市美術館での会場設営2日目。
今日もap嬢の助けを借りて、黙々と作業。
手が空いた瞬間に、今やれることを見つけて自発的に作業をしてくれるという
超有能力を持つ彼女に向かって思わず心でひれ伏す私。
はー、ほれぼれ。

おかげで、想定していた分の書架は全て設置完了。
明日は会場の細かな調整をしていく予定。
会場内は気をつけないといけないところも多いので、その注意書きなども作らなくては。
やっていく中で「!」ということもきっとあるけれど、未然に防げることは防がないといけない。
頭の中でシミュレーションが必要だ。

14.04.13

今日も朝から府中市美術館へ。
昨日の作業の続きを、とF嬢は大型本の製本を、
私は別のイベント用に作る本のダミーづくり。

入口のガラス戸のところには「現在準備中」の旨と予告が書かれているのだけれど、
ふと戸が開く音がした。
顔を上げると、小さな女の子が立っていて「なにしてるの?」。
「本をね、作ってるんだよ」と答えると
「え?なに?」
「本、ほら、こういうやつ」と作りかけのものを見せてみる。

「なんで作ってるの?」
「これなに?」
「なんで?」
「これ、どうするの?」

と彼女の好奇心が小さな身体からはみ出して
どんどんと溢れているのが目に見えるようだった。

私たちの作っているものは彼女にとっては
意味のあるものではなかったかもしれないし(でもS嬢の手元はじーっと見ていた)、
私たちの使っている道具は見慣れないものも多かったみたいだけれど、
すぐそばに来て、ボンドに指を入れてちょっと驚いてみたり、
それを金尺につけてカッターマットになすりつけてみたり、
三角定規の使い方を聞いてみて、「じゃあ、こうやっても使う?」と試してみたり、
床に置いてあった古びた包み紙がなんでぐしゃぐしゃなのかが気になったり。

部屋中を飛び回って、ティンカーベルの粉のように「?」を振りまいていた。
ああ、彼女はこのたくさんの「?」で世界を少しずつ大きく広く深くしていくんだなあ、と
とても新鮮だった。あんなに “なにかの固まり” であるものを見ることってないものだ。

極めつけは「ねえ、化石ってどこにある?」だった。
え、化石?それはいわゆる化石でいいのかしら…と思いつつ、
「うーん、どこにあるだろう。掘りにいったりするとあるみたいだよ」と答えてみたら「ふーん」って感じだ。
なにかのイベントに参加中とかなのかな?と思っていたら
しばらくしてまた唐突に「ねえ、ここに化石ってある?」
ここでようやくああ、これはいわゆる化石のことなんだな、と思って
「ここにはないなあ。化石、好き?」と言ったら「うん!!」と元気のいい返事が。
なるほどなー、私も大好きだったもんなー(今も変わってないけど)、と嬉しくなって
「お姉ちゃんも好きなんだー」と言ってみたりする。
(そして「お姉ちゃん」って言っちゃったけど…彼女からしたら「おばさん」なのでは…とあとからS嬢とひそひそ)

しばらくして、彼女の様子を穏やかに眺めていたお父さんに
連れられて部屋を出て行ったあの子は、また来てくれるだろうか。
来てくれるといいなあ。
そして勝手な話だけれど、ぜひあのまま、大きくなってほしいなあ。


この出来事で、「準備中」などという漢字は小学校2年生に成り立ての子には
なんの意味もなさないのだ、ということがわかった。
そりゃあそうだよね、まだちょっと難しい漢字だもの。
でもこのことって、すごく面白い。
彼女にとっては、この空間に入ってはいけないという情報はまったくなかったってことなのだ。

14.04.12

S嬢と朝から待ち合わせ。
起き抜けが眠くて、危うく二度寝の誘惑に負けるところでありました。いかんいかん。

公開制作の準備のため、府中市美術館へ。
注文しておいた材料も届いていたので、腹ごしらえをしてから作業に取りかかる。
先週もそうだったけれど、今日も抜群のチームワーク(と自分で言っちゃう…)で紙を同じサイズに切り、折る。
会場となる公開制作室はガラス張りのため、廊下を横切る人たちには私たちが丸見え。
一体何をしているのだろう、と思われるのか、時おり立ち止まって様子を眺めていく方もいる。
作業前はそういうのには慣れないかな?と思ったけれど、
考えてみれば不特定多数が行ったり来たりしつつ、周囲の人がやっていることを覗いたりする、
というのは大学時代に普通のことだった。
そういや、そうじゃないか!とS嬢と笑いながら、せっせと時間まで作業。

その後、ホームセンターへ行き、作品の材料を購入。
全部で30kgあるので、さすがに配送してもらうことにする。

明日も朝から作業だ。

14.04.11【その2】

とても楽しみにしていたもの、最高に楽しみました。
顔中が晴れるような驚きのトークに、
(「腫れる」んじゃなくて「晴れる」んです、本当に。)
たくさんのウフウフとたくさんのイヒイヒと、
そして溢れんばかりの尊敬とドキドキに満ちたライブで
なんだかもう身体の中はチッカチカにスパークしていた気がします。
素敵なものを見ました。幸せ。

それを見た自分はどんな風で、
以前と今とではどう変わっているかを書くのには多分たくさんの時間がいると思う。
そして、私はそれをここに書くだろうか? わからないけれど。
でも伝えたい人たちにはどんなに時間をかけても伝えていけたら、とは決めているのだ。
どうぞ気長に待っていてください。

14.04.11【その1】

初めての場所で初めてのこと。
同じようなことをもう何年もしてきているのに、初めてのこととなっただけで
勝手が違って、それを把握するのにいっぱいいっぱいだ。
180分はあんなに長く、90分はあんなに短い。
具合よくその時間をきちんとコントロールできなかったのは何よりの反省点。

そして、これまでの文脈で考えてはいけない。
ここはこれまでとは別の場所。独自のルールや文脈があるのだ。
またひとつ、勉強になりました。

14.04.10

なんだかばたばたとあっという間に週末が近づいてきているなぁ…。
明日は新しいお仕事が始まります。
そして、とても楽しみにしていることがあります。
それを心の支えにがんばるのだ。おー!

今日は図書館で、懐かしい顔に出会いました。
おかえり、Yちゃん!
また顔を合わせる機会が増えたことがとても嬉しい。

14.04.09

府中市美術館での公開制作『みんなの本棚を作ろう!』を書架Lab.名義で担当致します。
チラシが昨日刷り上がってきて、いよいよ現実味を帯びてきました。

イベントなどの詳細は当HPの「書架Lab.」ページでご確認ください。
約2ヶ月の長期戦。慣れないこともたくさんありますが、どれも楽しんでいきたいと思います。
ぜひぜひ、一度と言わず何度でも足をお運びくださいませ!

14.04.08

打ち合わせのため、浦和へ。
久しぶりのこの街、思ったよりも近かったなぁ。
なんとなくもう少し遠い気がしていた。

しどろもどろながら、こちらの意向を先方にお伝えして、
ひとまずの打ち合わせは終了。
これから詳細を練っていくこととなりました。
はたらけ、私の頭!という心持ちです。

▽イベント情報
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トーク+ワークショップ『本をめぐるアートと出会う』
日時:6月1日(日)10:30〜12:00
会場:府中市美術館 創作室
対象:高校生以上
ワークショップ定員:20名(事前予約制)
ワークショップ費用:300円
※トークのみの聴講可。その場合は無料、予約不要

講師:山田志麻子氏(うらわ美術館 学芸員)
アーティストブックをはじめとした「本」にまつわる芸術作品についてのトーク後、
特別な本づくりの体験をします。

◎ワークショップ申し込み方法
5月21日(水)までに、往復はがき(1人1枚)に、住所・氏名(ふりがな)・年齢・電話番号・返信用宛名を
記入して、府中市美術館「本をめぐるアート係」へ(当日消印有効)。申し込み多数の場合は抽選となります。
▷府中市美術館:〒183-0001 東京都府中市浅間町1-3
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私は、ワークショップを担当します!

14.04.07 お知らせ

チラシやポスターを担当した「平成25年度 武蔵野美術大学 博士後期課程研究発表展」が
下記の日程で開催されます。今回はお二人の作家の作品展示となります。

私はあいにくまだお写真しか拝見していないのですが、
山﨑さん、吉田さんお二人の作品はとても素敵で、
実際の作品を拝見するのが今からとても楽しみです!

みなさんも春の陽気にあわせてぜひぜひおいで下さい。

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『平成25年度 武蔵野美術大学 博士後期課程研究発表展』
会  期:2014.04.07(月)〜19(土)
時  間:10:00〜19:00(土曜日は17:00まで)/日曜休館
会  場:武蔵野美術大学gFAL+FAL(2号館1階)
出品作家:山﨑成美(YAMASAKI Narumi)/吉田有紀子(YOSHIDA Yukiko)

アーティストトーク
4月11日(金)17:00〜18:30
会  場:武蔵野美術大学gFAL+FAL(2号館1階)

問い合わせ:042-342-9514(博士後期課程準備室)または042-342-6027(教務課)
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Musashino Art University Doctoral Program Research Presentation and Exhibition
Dates: 2014.04.07(mon.)-19(sat.)
Opening hours: 10:00-19:00 (10:00-17:00 on Saturdays) / closed on Sundays
Venue: Musashino Art University gFAL+FAL
Artists: Yamasaki Narumi / YOSHIDA Yukiko

Artist talk: 04.11(fri.) 17:00-18:30

Inquiries(Tel): +81 (0)42-342-9514 or +81 (0)42-342-6027