前述の会合のあと、チラシのこま犬に誘われて、
松濤美術館で開催されている『古道具、その行き先ー坂田和實の40年ー』を観に行く。
ただただ、なによりも「行ってよかった」と思った。
会場全体が坂田氏の世界観に包まれ、「そこにあることが必然だ」と
モノたちが静かに、けれど誇らしげに、でもやっぱりひそやかにたたずんでいる。
例えば、別の場所でそれぞれを眺めたとして私はそれをまじまじと眺め、対話をしようとするだろうか?
答えは、否。たぶんそうだ。気に留めることすらないものだって少なくないに違いない。
それなのに「この場」に「このように」在るということがかれらのありようをすっかり変えてしまうのだ。
「価値」とは、ということが強烈に熱量を帯びて迫ってきた時間だった。
「価値」を持つということはどういうことなのか。
人が見いださない「価値」を創造することの難さと
それをし続けてきた人の強さとは、なんということだろう。
ただただ、なによりも行ってよかった。
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そんな興奮した心持ちでいたところ、ギャラリーTOMのDMを見つける。
ちょうど今日、『雉女房』出版記念の会をしていて、
なんと柚木沙弥郎さんがいらしているとか!
おおいにアウェーだが、憧れの人に一目会いたい…と恐る恐る扉をたたく。
ギャラリーの方がそっと迎えてくれ、購入した『雉女房』に柚木さんからサインをいただくことが出来た。
あわわ…となってしまったが、なんとか鎌倉の展示の感想をお伝えすることが出来てホッとする。
ギャラリー内に飾られた作品を観て、少し所在なくしていたら雰囲気のある女性が声をかけてくださった。
昔からの柚木さんのファンで、展示などがあると通っているのだという。
ものづくりについて穏やかにお話をする。人生の先輩と話をする、話を聴くのはやっぱり好きだなあと思う。
そのあとで、また別の女性とお話をする。坂田氏の展示の話からなにかをつくりだすことは…と
いう話になり、とても心に響くお言葉をたくさんいただくことができた。
そして柚木さんは御年90歳とは思えぬ矍鑠さで、
ものづくりや好奇心が与えるエネルギーのすごさを改めて感じるのであった。
なんだか今日はとても贅沢な一日だ、と思いながら帰途につく。
一年のうちで、こんなに充ち満ちる日というのは多くない。
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あ、ただ松濤美術館のカタログ…これはざんねんー!
雰囲気のある作りになっているし、
写真も丁寧に撮られているはずだと思うのだが(ホンマタカシ氏撮影)、
雰囲気をつくるために使用した(と想像される)本紙が写真を台無しにしている……ううう。
もっときれいに印刷された写真を見たかったなあ…。
こうしようとしたのは分からんでもないけど…ないけどさ!!と思ってしまった。
武蔵野美術大学 美術館・図書館で開催中の展覧会を観る。
『近現代のブックデザイン考 I 書物にとっての美』
▷別に昔は良かった、などと言う気はないけれど、この展覧会を観ていると
生活スピードについて省みざるを得ない。個人の問題ではなく、社会のこととして。
(もちろんその一部である個人に立ち返ることにもなるのだけど)
そして、日本人の美意識はその鋭敏さを一体どこに置き去りにしたのだろうということも。
それを仕方ない、時代のせいと片付ける季節はもう終わりにする時期にきている予感もするし、そうありたい。
さておき、物質感というのはこんなにも充ち満ちるものか、と恍惚。
『斎藤國靖 〈仮説〉としての絵画』
▷私にどれだけ理解が出来たかはよくわからないけれど、眺めていると頭が段々こんがらがってくるような雰囲気。
千葉市美術館の『須田悦弘展』を観てきた。
もう何年越しなのか、というくらい彼の作品を観たくて仕方なかったのだが
なぜかいつもいつも逃し続け…苦節?年、ようやく観ることが出来ました!やったー。
作家のこだわりが細部にまで行き届いた展示で、こちらの背筋ものびるよう。
息をひそめて作品と対峙する時間は、現代ではとても贅沢なものかもしれない。
キャプション等がないので、別紙の作品リストを参考にしながら作品を探す。
その行為が作品と鑑賞者を自然に繋ぐのも心地よかった。
普段は会場として使用されない「さや堂ホール」(このホールはとても綺麗)での
展示があったのもステキ。この展覧会は観て欲しいなあ。
所蔵作品展も工夫が凝らされていて、静かに興奮。空間も好きでした。
ちなみに、観に行く時は脱ぎやすい靴で行くのがオススメです。
谷保天満宮の祭事「おかがら火」と「うそ替え神事」に行く。
昔友人が住んでいて、その人がずっと「国立(駅近辺)に住みたい」と言っていたので
谷保はイマイチなのか?と思っていたら夜の景色ながらなかなかいい街に思えた。
さて、天満宮についたら階段の上からもわかる2つの炎。これが「おかがら火」。
拝殿前に高さ3メートル・2基の薪山を積み、午後6時に一斉に点火して、
炎の高さを競い御神木の転倒を防ぎ合う、関東における奇祭のひとつなのだそうだ。
もう820年以上も続く、都内の神社では唯一の火祭りなんだとか。
この火にあたると悪い病気にならないとの言い伝え。ありがたや。
とても間近で天高く燃え上がる炎は迫力。炎の熱もじりじりと感じられ、
この季節ながら暑いくらいだ。
しかし横の植木に思い切り炎がかかっているけど…と思っていたら、
消防の人が時々その樹に向けて放水している。なるほどー。


▷手前にいるのは消防士さん。ホースを持って待機。
それを見ながら、配布されていたご当地の伝統料理「煮団子汁」をいただく。
すいとん(=これが多分煮団子)入りのおみそ汁といった風情。ゆずの香馥郁で美味。

そして「うそ替え神事」。
授与所でうそを選ぶと巫女さんが違うものと替えて渡してくれる。
本来はそこに来ている人達と手当たり次第替えっこしていたらしいのだが、
最近は簡易化されている。(もちろん、替えっこしてもよい)
おみくじ入りのスレンダーなうそが我が家に仲間入り。

しかし、この「おかがら火」は消すのか消えるまで待つのか…とぼんやり考えていたら
お囃子が聞こえはじめ、後ろから獅子舞と猿&小猿舞が。
お囃子連の方々であった。いいもん見たなー。
(結局、火がどうやって消えるのかはわからずであった。)

▷大人の猿。小猿はとても可愛らしかった。
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◎本日の読了
『ルリボシカミキリの青』福岡伸一 文春文庫
IN 富山。
諸事情にて写真はあげてませんが、いつも大変お世話になっている
山田写真製版所さんにお邪魔しての工場見学。おーもしろかったーーー!!
あんな機械やこんな機械、なかなか見ることのないものを見たり触ったりさせていただきました。
でもなんといっても、ヒトのちからと魅力。
この人たちに恥ずかしくない仕事をしたい、と思うのでした。

▷イカ、大きすぎ。2万円。


▷自分がカマスになるかと思った。っていうか、なった。ちょっとしたトラウマ。


▷これは氷見ぼうずくん。




▷ココアを注文したら、ゆでたまごがついてきた。…こういう文化?

▷ウマヅラハギ。美ー味ー!
IN 富山+石川。

▷お寿司屋の畳。ここの障子は本物の桜貝を漉き混んであるものだった。


▷海の色が多彩なアオ。



▷写真の中にあふれる「狼煙」。
IN 長崎。

▷知らないうちに稲佐山の夜景が『世界新三大夜景』のひとつになっていた。他は香港とモナコだそうだ。
秩父の「龍勢祭り」にゆく。
電車では大した時間がかからないし、行ってみようとでかけたが
西武秩父駅からのバスが50分かかってびっくりした。満員でどんぶらこ。
椋神社の大祭には間に合わなかったけれど、心地よい天気のなか様々な流派の龍勢を見る。
最初はあがりさえすればいいものかと思っていたが、
いくつも見ているうちに大成功から失敗までいろいろなレベルがあることがわかった。
私が見た中では「開進流」の龍勢が大成功。とても格好よかったし、会場も大盛り上がりだ。
口上も型があるけれど、人によって全く違っていてたくさん聞いても飽きない。
(地元中学校の女子生徒が読み上げるのなんかはとても涼やかで心地よかった)
たくさんの屋台や地元の人達、それに観光客。
本当ににぎわっていて、ふるさとにこんなお祭りがある人はいいなあと思った。
こういうのを見ると歴史やらつくりやら、しきたりやらについてあれこれ知りたくなる。
世界は知りたいことで満ちているのだ。

▷かかしも応援してます。


▷龍勢の頭部分。この後ろにながーい身体がついている。

▷打ち上げ用のやぐらの中心に見えるのがセッティングされた龍勢。

