13.12.19

お世話になっている印刷所のTさんからお電話。
大抵、私が迷惑をかけている事柄についての確認電話をいただくのだが、
それでもなんだか「にょほほー」と出てしまう。
今回も当然のごとく、いくつかの確認電話。
でも声を聞くと安心しておまかせできることを改めて実感してしまって
やっぱり「にゃははー」となるのであった。

いつも、本当にありがとうございます。
不肖の弟子は進歩が遅いけれど、
いつかそれが笑い話になるくらい大きくなれるようにがんばります。

13.11.18

実家から帰宅し、入稿間近の仕事を黙々と。

13.11.10 輪郭

仕事の打ち合わせで久しぶりにまっとうな外出をする。
素敵な反応をいただき、嬉しくなる。


1週間ほど、ほとんど家にこもりほとんど口をきいていないと
身体の輪郭が空気に溶け出してしまってゆらゆらとどうにもはっきりしない。
このままだともっととろけてしまいそうだったので歩くことにする。
こういうことは意外と本能的に判断するものだなぁ。

途中、はがれて落ちた警備会社のステッカーを見かけたり(しょんぼりと頼りない)、
「立」「ち」「小」「便」とだけ書かれた壁を眺めたり(もはやなんだかいさぎよい)、
ホームセンターに全能性を感じてみたりしながら駅から駅まで1時間ほど歩く。
そうしていたら少しずつ輪郭が締まってきたのでああ、ヨカッタと安心する。

夕飯を食べようとA嬢を待っていたらタイミングよくM嬢からもお誘いがあったので
3人でお店開拓。料理が出てくるのはゆっくりだったけどおいしかったな。
やっぱりご飯は誰かと食べるのがおいしいし、人と話すのはいい刺激だ。

13.11.04 レース

まだぼんやりした体調で、仕事の素材を入手するため原宿へ行く。
地図に示されたルートを通ると竹下通りを通ることになる。
普段だったら回避した気がするけれど考えるのも面倒でそちらに足を向ける。
……んじゃなかったーー!!なんだこの人混み! うう…ひたすら心を無にしながら耐える。

ようやくそこから抜け出して目当てのお店へ。
小さなお店だけれど品揃えは抜群だったし、
お店の方もとても親切に相談にのってくれてすごくありがたかった。
レースとひと言でいっても、様々な種類があって可愛らしいものや色気のあるもの、
いつまで見ていても飽きない気がした。こういう素材をみるとなにかを作りたくなってくるなあ。
ともあれ、レースを探している人にはぜひオススメであります。

THE LACE CENTER harajuku
東京都渋谷区神宮前3-27-7 / 03-6406-0740
11:00-19:00(水曜定休)

13.11.01【お知らせ】

以前装丁をさせていただいた
徐阿貴さんの『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成』(御茶の水書房 刊)が
第32回山川菊栄記念婦人問題研究奨励金(通称:山川菊栄賞)を受賞されました!
編集者の方からその朗報を伺い、携わった者のひとりとしてとても嬉しくなりました。

私は不勉強でその賞については知らなかったのですが、
(出版または発表され活字化された)女性(問題)に関する研究論文・調査などに贈られるものだそうです。
賞にその名を冠する山川菊栄さんは明治から昭和を生きた評論家・婦人問題研究家で、
階級支配と性支配の差別の重層性に切り込むなど、今日の課題に通ずる先駆性を持った方なのだとか。

徐さんの著作は在日朝鮮人女性(特に一世あるいは学齢期が戦前にあたっていた二世の方)を
主な担い手とする「太平寺夜間中学独立運動」と呼ばれる教育行政への異議申し立て運動を中心としたものです。
選考者評にも「タイトルの難しさ」があがるように、一見とっつきにくい感じではありますが、
ホームページ(http://www.yamakawakikue.com/)の「選考経過」「推薦の言葉」を一読すると
選考者の方がハルモニたちの “ライフストーリー” にぐいぐいとひきこまれていった様子が見てとれます。

研究書ということもあり、お手頃とは言えないお値段ではありますが……(汗)、
興味のある方はぜひぜひ! 図書館で借りるって手もありますし!

13.10.31【その1】

午後イチで打ち合わせ。
汎用性のある冊子を作るために、担当の方々とあれこれ話をする。
時間のない中でどれだけのことをするか、というのも私の大事な仕事。

最近「私だからこうなった」っていうデザインが出来ているだろうかと省みる。
もっと何か出来たんじゃないか、とかあそこはもっと粘れたんじゃないかとか
少し心臓がキュッと縮む気がする。普通の「もっと出来た」よりももっと「もっと出来た」はずだ、と。
ひとつひとつのことをその時の100%でできているかどうか、もっと自分に厳しくないとダメだ。


その後、O氏とKさんのラジオ収録に乗り込む。「公開」収録だったけれど
それはきっと私が「行く行く!」って悪乗りしたからだな(笑)でもとても楽しかった。
日々つるんでいて、ものづくりの話もするけれど
お互いの来歴なんてものはそれぞれの目が届いた範囲でしかないから
語られることを聞きながら「あ、そういう流れなのね」とか「へーほー」と
ただひとりの客としてニマニマしながら聞いていた。
なんというか、その人の純度の高い部分が少し見えるような、そんな気分だった。
きっと今は随分枝葉が生長していて、私(他者)は普段その茂りと向き合っているのだけれど
フッと視線をおとしたら、その人のグラウンドなるものが枝葉を支えているのが見えた、みたいな感じだろうか。
(根っこや幹よりもグラウンドが見える、って感じなのだ。)
多分、本人からしてみたらそれもずっと続いてきた自分の経過点だから
出発点みたいに思われてもまたちょっと違うんだろうけどね。

うーむ、なに言ってるのかよくわからなくなってきた。
まあつまり、人は人に興味があるってことだ。
そして他者の声を聞きながら自分を反芻して、自らを言語認識していくもんだな、と思った次第。


そしてこの場所は、誰かの何かが他の誰かの何かに引っかかっていく。
それがたとえ、発した側の感覚それ自体ではなくとも、
咀嚼吸収されて受けた側の感覚に寄り添う何かになっていくことにここの人たちは寛容だ。
(ただし発した側への敬意が払われている限りは、だろうけど)

うーむ、やっぱり何言ってるのかよくわからなくなってきたから撤退。

13.09.29 どたばたー

本当は予定を入れていた午後だったが、仕事のやりとりが長引いてキャンセル。
とても楽しみにしていたので凹凹である。
とはいえ、やるべきことをやるべし、と言い聞かせて黙々と作業。
ここ数日、故あってほとんど寝ていないので目の周りの意識がぼんやりしている。


…が、友人たちへの第2回「課外むし部」が夜にあったのでなんとか会場へとたどり着く。
今回は4月に行ったボルネオで見たむしたちの紹介で、
一緒に旅行をしたぶっちーも来てくれたので、一段と華やかな時間となった。
準備不足で申し訳なかったけれど、みんなの暖かいまなざしに助けられました。感謝!
(次はもっとちゃんと準備してきます!!)

そして、K下さんご提案のS木さんの音楽とのセッションは
私にとって新しい体験で、五感が鋭敏になる瞬間を感じ取れる時間だった。
聴衆として存在するのとずいぶん違うその感覚は、
何かを発見した時のまなざしが心の辺りで開くようだった。
(って、わけわからないですかね…。我ながら伝わらないなと思うけれど、
 本当にそんな感じだったのでどうかご容赦を。)

みんなが集うこの空間はいつもエキサイティングで、大好きだ。

13.09.21【その2】TABF2013

きっとなにもなかったら行かなかったろうけれど、
自分も関わったので、アートブックフェアに。
以前、別の会場で行なわれていた際に一度行ったことがあるのだが、
狭い空間に満員電車並みの人の群れで空気も悪く辟易したのを覚えている。
今回はどうかなと思ったら、少しマシになっていた。

ひとまずfridgeのブースのみんなに会いに行き、
(みんな、オツカレサマ!!)
その後新潟で紙漉をしている友人M嬢のところへ。
和紙の話をしてワクワクしてから、印刷会社やインキ会社、
紙業者のブースが集まったプリンティング・セクションへ。

………正直言うと、個人的にはここが一番面白かった。
紙見本などをいただいたり、購入したりしながら担当の方と話をする。
インキの特徴、使いたい時にどうしたらいいか、
板紙の種類や制作方法を質問したり、独自の技術について話を伺ったり。
ああ、面白い!大変にエキサイティングでした。
みんなが自分の立場で仕事に情熱を注いでいて、作ったものの良さは誰かに伝えたいものなのだ。
それがよく伝わってきたのが嬉しかった。
一緒に仕事をするなら、断然、情熱のある人がいいもんな。

素材がどうやって出来ているかを知ることは「どう使い得るのか」に繋がるので
些細なこともすごく興味がある。
(それに実は専門家にとっての些細なことこそがこちらの驚きだったりする。)
もっともっと業者の方とデザイナーの距離や立ち位置が近くなればいいし、
そうしていきたいな、と改めて思った。

13.09.20 お知らせ

明日から始まる「TOKYO ART BOOK FAIR 2013」に
友人の大垣彩さんと角裕美さんのブックレーベル〈fridge〉が参加します。
作家・イラストレーターである2人がそれぞれデザイナーと組んで本を作る、という企画。
私は日本のZINEムーブメントには大いに懐疑的(だし、好きじゃない)な人間ですが、
大垣彩さんのお誘いを受け、その企画内容はとても誠実なものだったので快諾、
(彼女の制作姿勢はそもそも尊敬しておりますしね)一緒に制作をさせていただきました。
結果的には至極面白い経験をさせてもらうことが出来たし、
厳しいスケジュールの中ではあったけれど、カメラマンのKくんと3人での撮影、
S嬢との製本作業は刺激的で本当に面白かった!ありがとう。
彼女も言っていたけれど、こういう姿勢での制作をいつでもやっていたいなぁ。

ちなみに〈fridge〉には今回、他にも2人の作家が参加して、
合計4人(&デザイナー)が作った本が出品されます。3連休、お時間のある方はぜひおいで下さい。
それにしても、TABFは随分と大掛かりなイベントになっているのですな。
個人のみならず出版社や印刷会社も参加しているとか。


TOKYO ART BOOK FAIR 2013
9 月21 日 (土) 15:00-21:00 レセプションパーティー(どなたでもご来場頂けます)
9 月22 日 (日) 12:00-20:00
9 月23 日 (月・祝) 11:00-19:00
会場:京都造形芸術大学・東北芸術工科大学 外苑キャンパス
東京都港区北青山1-7-15

〈fridge〉のブースは会場2F j26です。
江南仁美/大垣彩/角裕美/村上賀子

13.09.19 合宿2

S嬢を駅まで送ってからそれぞれ仮眠をとりつつ、
作業をしゅくしゅくと進める。
製本テープを貼り、標題紙を印刷して貼り、シリアルナンバーも接着。
これでようやく冊子は完成とあいなった。ふはー。
昨日のうちに折っておいたポスターは包装し、ラベルを貼って封をする。
こちらはもう少しだけ作業があるが、時間切れで明日に持ち越し。


帰りの電車ではさすがに意識を失ったが
今日はせっかくの仲秋の名月だったのでS嬢と月見散歩。
雲のない夜の満月というのは本当に明るい。
2人でぼえーっと空を眺めていたら、「あ、あ、ああーーーっ!!!」
満月の横を長く長く明るい流れ星が流れていった。得したなあ。