13.11.01【お知らせ】

以前装丁をさせていただいた
徐阿貴さんの『在日朝鮮人女性による「下位の対抗的な公共圏」の形成』(御茶の水書房 刊)が
第32回山川菊栄記念婦人問題研究奨励金(通称:山川菊栄賞)を受賞されました!
編集者の方からその朗報を伺い、携わった者のひとりとしてとても嬉しくなりました。

私は不勉強でその賞については知らなかったのですが、
(出版または発表され活字化された)女性(問題)に関する研究論文・調査などに贈られるものだそうです。
賞にその名を冠する山川菊栄さんは明治から昭和を生きた評論家・婦人問題研究家で、
階級支配と性支配の差別の重層性に切り込むなど、今日の課題に通ずる先駆性を持った方なのだとか。

徐さんの著作は在日朝鮮人女性(特に一世あるいは学齢期が戦前にあたっていた二世の方)を
主な担い手とする「太平寺夜間中学独立運動」と呼ばれる教育行政への異議申し立て運動を中心としたものです。
選考者評にも「タイトルの難しさ」があがるように、一見とっつきにくい感じではありますが、
ホームページ(http://www.yamakawakikue.com/)の「選考経過」「推薦の言葉」を一読すると
選考者の方がハルモニたちの “ライフストーリー” にぐいぐいとひきこまれていった様子が見てとれます。

研究書ということもあり、お手頃とは言えないお値段ではありますが……(汗)、
興味のある方はぜひぜひ! 図書館で借りるって手もありますし!