11.07.08 [その1]観てきた

今日はap(=大垣彩)嬢の個展を観に行った。
しっとりとした落ち着く雰囲気のギャラリーに大型の作品が4点、ドローイングなどが多数展示されている。
まだ枠につける前の絵は見せてもらっていたのだが、あらためて展示されているのを観ると
「いいじゃーん!」と思う。特に本人が最後まで出品するかどうかを悩んでいた様子の作品が個人的には好きだった。
なんというか…ひんやりとした雰囲気を持っていて気持ちがいい。
抽象絵画は観る方も難しい、ってところが確かにあると思うけれど、
その一方で直感で「いいな」と思える親しみやすさも確かに存在すると思う。
何でそれをいいと思ったかについて明言するのには訓練が必要だが、それはそれでまた別の問題。
彼女の大型作品は(そのサイズを除いては)家の壁にかけてあっても
不必要に自分の存在を主張をしないだろうなと思える、静かな呼吸をしていた。

ともかく、普段よくつるんでいる友人の思いがけない一端を観て、
驚くというか(すごくいい意味で)裏切られたというか。
こういう感覚ってこちらの制作意欲も刺激する材料になる。
考えてみると私はそういう驚きをもたらせることを最近全然していないのだ。いかん。
刺激を貰うばかりではなくて、与えられるようでなくてはなぁなどと自省する。
最近そんなことばっかりだなあ。

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◎本日の読了
『隣のアボリジニ-小さな町に暮らす先住民』上橋菜穂子 ちくま文庫
 ▷私たちは勝手なセンチメンタリズムで他者の生き方に願望を持ってはいけないのだと気付かされる著作。
  それにしても、この人の語り口はやっぱり好きだ。
  物語であってもそうでなくても想いに嫌みがなく、水のようにしみ込んでくる。