13.05.11 OZU

『うそだよ。あの顔、うそだよ。
 あ、笑ってるよ。』
〈小津安二郎監督『お早よう』より〉

あるシーンが見たくてO氏に借りた小津安二郎監督の『お早よう』を鑑賞。
DVD・劇場あわせてもかなり久しぶりの “映画” だった。
独特の、とても日本的だなあと思える空気に圧倒されつつも
気付いたらその空気に自分も包まれていて、
作品世界を端から見ているのだけれど、神の視点からというよりは
ただ口を挟まずになりゆきを見守っている隣人のような
不思議と親しげな気分。
ハリウッド映画ではこうはならない、という差異は
なにか大事なことのように思う。

初めての小津映画、大変楽しめました。

それにしても笠智衆氏の居住まい、たたずまいが
とてもかっこよくて惚れ惚れ。
ただ、それ(=かっこよさ)はあまりO氏には共感されなかった。