11.10.31 写仏の旅

sg嬢・hys氏・tj氏と4人で鎌倉へ行く。
目的は「写仏(または写経)」。随時受け付けているという長谷寺へ向かった。
10時くらいに行けば、言うてもそんなに混んでないだろうと思っていたら写経場・弁天堂は
席がびっしり埋まっていた。いやはや、びっくりである。

とはいえ回転が良かったので、あまり待たずに席に着くことができた。
小さなお堂の中は静まり返って、それぞれが黙々と下敷きをなぞっている。
あらかじめ紙で配布された手順を読みながらそれに従って写仏(十一面観世音菩薩)開始。
下敷きのあるものをなぞっていれば自然と無心になれるもんだろうと考えていたのだが
なんのなんの。 雑念入りまくりである。人間、そんなに簡単に「無」にはなれんものだと痛感。
結構な時間をかけて写仏を終え、お願いごとを書く(その字が汚すぎて我ながらびっくりした)。
どうやらこれらは経蔵に納められるようだった。ありがたやありがたや。
雑念やら煩悩やらはなかなか消えてくれなかったが、
墨をさこさこと摺るのはとても心地よくて、日常にその行為があったらいいなあと思う。

その後、行楽日和の境内を散策して団子を食べ、とんびを観察してから昼食のため移動。

ガイドブックにあった洋食屋さん「CARO」を訪ねる。時間のせいかお客は私たちだけでのんびり。
いやーはや、至福とはこのこと、てな具合で4人ともウヒョウヒョ言いながら美味しいご飯にありつくことができた。
人にお勧めできる美味しいお店、間違いなし。近所にこんな洋食屋さんがあればいいのになあ…。うっとり。


▷グラタン。


▷牡蠣のオーブン焼き


▷ポークソテー。イメージの2倍厚に一同驚愕。でも柔らかかったなぁ。


お店を出た後、一度浜辺に降りる。「うーみだー!!」と大興奮。
男性陣が拾ったボールで青春のごとキャッチボールをしている脇で、
私とS嬢は波打ち際でうごめくまだ小さなアサリ(?)を観察しながら
キャーキャー言っていた。波が来るたびにまだ白くて小指のツメの3〜4分の1くらいしかない
小さな貝がモゾモゾーと動くのである。壮観。これが夏頃には潮干狩りサイズになるのだろうか。


▷波打ち際一面が貝の赤ちゃんだらけ


▷気になる石

さらに来た道を戻って、鎌倉大仏を観に行く。
仏教に詳しいhys氏だが、鎌倉大仏を見るのは初めてで「心の準備がね」などと言いながら呼吸を整えていた。
与謝野晶子が美男といったのもうなずける、確かに美男の大仏様(お釈迦様でなく、阿弥陀様だそうだ)の中に
入ってみた。内部を見るのは私も初めてだったが、制作行程がよくわかる、まことに興味深い光景であった。
外から見ていたらなんとなく中が詰まっているような感覚だが、そんなわけもなく、
らほつの具合が凹凸反転して見える様子はすごく面白かった。昔の人はすごいなあと改めて感心。

バスで鎌倉駅まで戻ってから、銭洗弁天近くまで歩く。
日が短くなって薄やみになってきた中、山の方へ向かうのは風情があっていい。
関東平野育ちの私としては、闇迫る山なんて見るとドキドキしてしまうのである。
山近くで育ったhys氏曰く「日常で山が近いと圧迫感あるけどね…」だそうだ。
茶房「雲母」で憧れの宇治白玉クリームあんみつを注文。女性陣は2人で1つにしたが、
男性陣は1人1つずつ注文しながら「2人で2つを半分こすればいいよね」「そうだよね」などと言っている。
食後、駅までの帰り道で「…食い過ぎた…」としきりにこぼしていたのはご愛嬌。


▷大きな白玉は柔らかくて至福であった。
でもこれ、一口で食べようとすると喉に詰まって死ぬかと思った。
本当に餅とかって喉に詰まるんだ…とひんやり。

あまり行かない近くの土地というのは、改めて行ってみると
面白いことがたくさんあって楽しいものだ、と大満足の1日。