11.07.30 Gさん巡礼あるいはO氏能力爆発の旅 1日目(長文)

愛しのGさんに会いた過ぎる「Gさんファン倶楽部」は(部長O氏&副部長タニダ)関西へ。

こだまのうち、新大阪まで一番早い到着の便だったので、寝不足もいいところである。
しかも、ミュータント・ビッグママの能力を余すところなく受け継ぎ、年齢を重ねるたびに
その能力を開花させているミラクル・アメオトコの部長がきっちり雨雲を連れてきている。
朝から結構な雨。「さすがですわ〜」というと「こっち(東京)だけでしょ!むこうは大丈夫」という。

初日は夕方からGさんと会う約束になっているので、その前に観光。
気になっていたが、ちょっと距離があるため足を運んだことがなかった奈良・室生寺へ。
新大阪につく頃には雨もやみ、大丈夫だったか…と安心したのもつかの間、
奈良方面へ乗り換える際にはドドドと大雨。「ほらーーーー!」という私と失笑のO氏。
この旅行、アヤシイ予感である。

いくつか電車を乗り換え、車内では爆睡しているうちにようやく「室生口大野」駅に到着(雨は小休止に)。
自宅からの時間を考えると6時間以上移動している。ふはっ。
時間倹約のためタクシーで向かったが、もし天気がよくて、暑くなければ
ゆっくりと散歩しながら室生寺に行くのも良さそうだった。

到着した室生寺は雨にしっとりと濡れ、緑が濃く映えている。
山の中のお寺なので石段をせっせと登って奥の院を目指す。
有名な五重塔の他にも金堂や潅頂堂(本堂)など国宝のお堂が点在し、
数百年以上の時を経た柱の風合いは、ずっと触っていたくなるような柔らかさを醸し出していた。
金堂にはとても美しい仏像がならび、その前に十二神像が安置されている。
近づくことが出来ないので細かなところを詳細に見ることは出来なかったが、
美しい顔をした仏さまが多くてため息ものであった。
それに光背は彫られているのではなく描かれているものが多く、
華やかでそれもまたいつまでも見ていたくなるような素晴らしさだった。
これほど見事な仏さまたちは見ているだけでなんだか穏やかな気持ちになるもんだなあ、と不思議な気分だった。
それはきっと、場所性も大きく影響しているのだと思う。
美術館などでこれらの仏像を近くで見れたとしても、同じような心持ちには絶対にならないだろう。

五重塔を過ぎた辺りから階段は急になり、うひゃーといいながらせっせと登る。
汗だくで登りきり、奥の院で御朱印を頂いていたら「720段を上がってきましたよ」と教えていただいた。
弘法大師さんの御朱印を書いてくださったおじさんはどうしてこんな風に書くのかを教えてくれて興味深い。
たとえ背後のラジオから森高千里の『私の夏』が流れていたとしても…。


▷池いっぱいのおたまじゃくし。モリアオガエルが生息しているそうだ。


▷金堂。たたずまいが老成している。


▷潅頂堂(本堂)。木組みも美しい。


▷やはり五重塔はここから。日本最小の五重塔。


▷五重塔の脇に並ぶ石像。ひとつひとつお顔が違う。誰かに似ているような…。


▷境内の杉は一様に見上げるほどの大木。


▷急な階段!


▷だれもがせっせと登る。先に見えるのが奥の院。


▷奥の院の足下。


▷奥の院に掲げられていた奉納絵馬とその部分。


室生寺をあとにして、近くにあるというダニ・カラヴァンの作品である「室生山上後援芸術の森」へ向かう。
恐ろしいことに、ここでは帰りがけの男性2人とすれ違ったことを除けば全く人に出くわさなかった。
公園としてはかなり大きいのだが、いるのは超大量のアキアカネとシオカラトンボ、バッタやカエルばかり。
「虫のとれる公園って名前にした方が人が来るんじゃないか?」と軽口をたたいたり、
「今日の収入は1,600円ってことじゃ…」「スタッフが2人いたから1人あたり800円……?」などと余計な心配をする。

それにしても、遠くに雷鳴の轟くどんよりとした空模様とその無人の光景は神秘的な不穏さというかなんというか…
なかなか得難い雰囲気と体験であった。
「何にも知らなかったら、なんかの宗教施設かと思うよなー」というO氏の言はその雰囲気を的確に表わしているが、
私たちはこの空間を割合気に入ったと思う。ダニ・カラヴァンのつくりだした環境はなんだか心地よかったのだ。
季節や天気の違う時に来たらまた感じることは変わってくるのだろうから、それも改めて体感したいところである。

室生寺前のバス停に戻り、「室生口大野」駅へ戻る。
その道すがら、バスに乗っている人々(結構いる)が周囲と共有しようというように口々に驚きを表明する。

…………雨である。

しかも、バケツをひっくり返したってこんなことにはならないだろう、というほどの豪雨である。驚くほど急な。
私もO氏もなにも言葉を交わさなかったが、心中で「さすがです!」「(失笑)」という会話を間違いなくしていた。
駅に駆け込み、振り仰いだ遠景は白く煙って山水図みたいだった。
これまでも度々、O氏の能力を目の当たりにして来たが間違いなくパワーアップしている。
残りの旅程にますますアヤシイ予感。

宿にチェックインして一息ついてから旅行の主目的・Gさんに会うため、道頓堀の「かに道楽」前へ。
辺りはぎょっとするくらいデコラティブで、10年以上前に来た時よりも更に過剰になっている。
看板もあんなに張り出さなくてもいいのでは…というくらい道に張り出しているし、照明はぴっかぴか。
節電モードの東京とは普段よりも差がきっと大きいのだろう。久しぶりにあんなにぎらぎらしているのを見た。
いや〜面白い風景だ。こういう違いが東西のキャラクター形成にも影響するのかなあ、などと考える。

Gさんと合流後、まずはオススメのたこ焼き屋さんへ。ソース味としょうゆ味を注文。
しょうゆ味?と思ったが、食べてみるととても美味しかった!いや〜うんまい。
そこで少し近況話で盛り上がった後、うどん屋さんに移動。
一番有名だということできつねうどんを頼んでみた。
しかしここのメニュー、よくわからんものが多い。「かちん入り」は餅入りだとわかったが
「おぼろうどん」(なにがおぼろ?タマゴが炒り卵っぽいのか?)
「よなきうどん」(時代劇で聞くような…それって普通のかけうどんとは違うのか?)
「鶏卵そば」と「月見そば」はどう違うんだ!
果ては…
「冷やしそうめん」(いや、そうめんはふつう「冷やし」だと思う)
「冷やしにうめん」(ええ!?もうなんか破綻してるし!)
(メニューの詳細はHPをどうぞ)

うどんを食べながら、メニューについてあれこれ推測しているところへ、
京都から言葉の魔術師・YD嬢が合流!嬉しいことである。
その後もあれこれとメニューについて話していたが、気になりすぎて店員のお嬢さんにあれこれ聞いてみた。
「かちんってなんですか?」「え……?かちんはかちん…あ、おもちですけど……」
「◯◯うどんって?」「え……?普通に……◯◯が入っていて…」
お嬢さんにしてみれば「普通」のことをしつこく聞くので
「この人たち、なに聞いてるのかしら」ぐらいのとまどいっぷり。
その様子にいたたまれなくなった4人は「あ、すみません…」と撤退。「『普通に…』って言われちゃった…(笑)」

ともあれきつねうどんはおあげさんが肉厚で、甘めな味付けに慣れている私には美味しかった。

その後、有名な丸福珈琲へ。そこでも話が盛り上がり楽しい時間を過ごしたのであった。
明日の夕飯をまた一緒に食べる約束を確認して解散。
朝から動きっぱなしだったのでへとへとになった1日であった。