11.07.03 観てきた

ポスター等のデザインを担当させていただいた『放浪の天才画家 山下清』展を観に千葉県立美術館へ。
担当の方が、午後は作品の前が2重3重の列になるとおっしゃっていたのだが、行ってみるとまさにその様相!
あらためて山下清という人の知名度と注目度を知ることとなった。

カタログでは多くの作品を何度も観ていたものの、実物ををまとめて観るのは初めてだったのだが、
その緻密さは驚異的だった。年を経るごとに細かさが増し、貼り絵というイメージからは想像できないほど
立体的なのだ。貼り絵って作る人が作れば「立体作品」なのだな。
かといってただ貼り重ねているわけではなく、背景色の中にぴったりとはめ込まれた植物や人物なども見え、
隙間のなさもこれまた驚異的。

ただ、個人的にじっくり観たのは東海道五十三次の作品だった。
フェルトペンで描かれた線描を版画に起こしたものだが、人々には素朴な愛らしさが、
建築物には確かな観察力が感じられて、作者本人が「ふつうの絵」という1枚ですらストーリー性を持っていた。

山下清という作家は、実物を見なくてはいけない作家であった。

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◎本日の読了
『自分をいかして生きる』西村佳哲 ちくま文庫
『RDG はじめてのお使い』荻原規子 角川文庫