ご縁があって、DNPのコミュニケーションプラザ ドットDNPで開催されている
『世界のしかけ絵本』展の関連ワークショップを担当しました。
「夏休みの自由研究〜しかけえほんを作ろう!〜」と題したワークショップでは
小学生を対象にもっとも原始的なしかけ絵本のひとつである「ピープショー」をつくることにしました。
「ピープショー」を初めて見た時、私自身がその簡単な構造に反した大きな効果にとても感動した経験があり、
それを子どもたちにも体験してもらえたら…と。
そしてモチーフは夏、ということもあって「海」を設定。昔の自由研究に、箱の中に水族館を作るというのが
ありましたが、そのイメージものっかっています。
素材作成のために友人のイラストレーター、まえだなつこさんにイラストを描いてもらったのですが、
予想どおり、抜群!の仕上がりに私は準備段階からウヒウヒしてしまいました。
◎
当日は小学1年生から6年生まで幅広い参加者を迎えてのイベント(1回90分/全2回)に。
サポートスタッフの学生や書架Lab.スタッフのFの協力におおいに助けられながらなんとか無事に終えることが出来ました。
色を塗ったり、ハサミを使ったり。そうしたことをどのレベルで求めていいのかは探り探りでしたが
子どもたちは想像以上のポテンシャルを発揮してくれて、こちらが驚かされるばかり。
色の塗り方、物語の設定、そうしたものはとてもかなわない!!と脱帽です。
「このカメは縁結びのカメなんだよ。カップルのダイバーで会うといいことがあるんだ」
「ここはダイバーが魚とあいさつしているところ」
「ダイバーをカメにのせてみたよ」
「これはオリジナルのサメ。ツノが生えてるんだ」
「あ、そうだ!ここは7色にしようっと!」
「マダコだ!…マダコだから〜、この色だな!」
制作の中に生まれる「!」はとてもキラキラしていて
彼らの中に繰り広げられる物語を全部全部記録したいくらいでした。
保護者の方の待機場所が少し離れていたこともあって、
子どもたちの思いの向かうままに作られた作品たちは伸びやかで自由で、
この感覚をずっと持っていて欲しいなあ、と強く思わずにはいられませんでした。
誰もがこんなに「ものをつくる」ということが身近だったのに
いつの間に美術を苦手にする人が生まれるんだろうなあ、などと考えてしまったりもして。
ワークショップは何かを提供しているようで、こちらがもらうものの方がずっと多いな、と
本当に痛感します。まだまだワークショップの経験は浅いけれど、
もらったものを還元しながら、コツコツと展開していけたらいいなあ、と思います。
◎
ちなみに「ドットDNP」は市ヶ谷にあります。
私は今回初めてお邪魔したのですが、カフェもあり、体験ブースやワークショップ企画もあり、
楽しい場所でした。HPをみても「これ、面白そうだな〜」と思う企画があれこれあって、
思わず参加してみたくなるのでした。ぜひぜひ、一度足を運んでみてください。
「印刷」が放つ可能性がそこには広がっています。
4月19日に幕を開けた書架Lab.のプロジェクト『みんなの本棚をつくろう!』が無事に閉幕となりました。
そして昨日今日と、約2ヶ月お世話になった府中市美術館の公開制作室の復帰作業をし、
そちらも無事に完了。完全撤収となりました。
慣れないことも多くて目の回るような日々でしたが、
たくさんの方に支えられ、応援してもらってなんとかゴールテープを切ることが出来ました。
颯爽と、とはいかなかったけれどそれでもある種の達成感もあり。
本当に本当にみなさん、ありがとうございました!
Twitterではいくらか進捗を書いていましたが、こちらにもある程度様子の報告をしたいと
思っていますので気長にご覧いただければ幸いです。
古池寿浩さんのCD『井の中の蛙』の発売とライブにあわせて制作した缶バッジが好評につき、
在庫がほとんどなくなったとレーベル主のK下さんから嬉しいご報告。
わーお!ステキだ!!
…というわけで改めて再生産となります。
制作は前回に引き続き U CANBADGE さんに。
前回、とても迅速で丁寧な対応のうえに超短納期を実現していただきました!
あの時は本当にありがたかったものです。
缶バッジを作りたいなあ、という方にはオススメですよ。
https://www.u-canbadge.com/index.html
■
業者の方に短納期をお願いするのはものをつくる人間としては心が痛むのですが、
それでも作り手は自身の心意気にかけてそれをやってのけたりするのですよね。
このことにはいつも頭が上がらず、ただただ感謝するばかりです。
そんな心意気をこの世界が食いつぶすことなく、相応の敬意を表するなら
日本の文化レベルは確実にもっと高みにのぼれるだろうにな、と考えたりもして。
…ん?なんか話がズレましたな。
楽しいお出かけの日。
行った先で、偶然ジンガサハムシを見つけた。
日本で見るのは初めてで、「わあ!」と大興奮。
崖上の住宅街のガードレール脇で必死にカメラを向けて、
完全に怪しい人である。人通りがなくてよかった…。
太陽光に当たるときらりと金色に光る様子はとてもかわいらしくてキレイ。
なんて名前かなあ、と帰ってから調べてみたら
海野和男先生のHPで答えを発見。偶然ながら行き当たった時は「お〜!」と嬉しくなってしまったなあ。
彼(彼女かも)は「セモンジンガサハムシ」というそうだ。
今年もこの日がやってきました。
人懐っこい学年のみんながシルクスクリーン印刷に挑戦です。
一緒にいると楽しくてたまらない2人と一緒に『キトラ古墳壁画』展を観に行く。
朝から大雨。そして朝なのに上野はすごい人。
平日なのにみんななぜここに…と自分のことを棚にあげて不思議に思う。
まあ、おじいちゃんおばあちゃんたちはいてもおかしくないけれど。
開館から1時間30分ほどだったが、既に館内に入るのに90分待ち(多分実際はもっと待ったと思う)。
普通だったら絶対にこんな行列に並んだりしないけれど、
2人と一緒だったらそれだけで楽しかろう、とどこか浮かれた気分で末尾へ。
今後見ることもなさそうなリンボーダンスを見たり、
今考えていることや、いつも不思議に思うことを話してみたり、
視線をお互いの背の高さに合わせて新鮮に思ったり。
お腹は減ったし足も疲れはしたけれど、こういうなにするでもない時間に
つらつらと話すのはとても楽しい。
◎
さておき、ようやく入館して展示会場へ。展示そのものはこじんまりした雰囲気で、
人の隙間をぬっては壁画の精巧な複製を見たり、発掘された副葬品を眺めたり。
壁画そのものを守るためにひんやりした会場内でしゅくしゅくと(?)
キトラ古墳の壁画との対面に向かう。思ったよりもずっと小さな画は今も鮮やかで、
それを見ながらずーっと昔の画工に思いを馳せる。
なんだか「観た」という事実そのもので満足してしまうものって
ある気がするし、この壁画たちもそうなりやすいものだと思うのだけれど、
遠い遠いひとの営みを思うことが出来たので、「観た」だけで終わらなくてよかった。
■
気付けばもういい時間なので
昼食を食べ、少し移動してKITTEのインターメディアテクを楽しみ、
最後はとても美人さんなケーキを食べてほくほくする。
いい1日なのであった。
朝から打ち合わせ。
府中市美の公開制作の話を発端にして、また新しい試みをすることになりそうです。
いまやっていることをちゃんといかせるように考えなくては。
その後、もうひとつ打ち合わせ。
さらにそのあと、楽しい場所に行く前に
楽しくなりそうな話をするためO氏と打ち合わせ(というかあーだこーだの話だけど)。
こういう話を出来る人がいるっていうのは、考えごとにハリが出てわくわくする。
そして楽しい場所へ。
思うことはやっぱりたくさんあります。
それはきっと別のところに書くのだろうと思いつつ。
府中市美・公開制作の関連イベント『まるごと1冊、解体ショー』の初回。
前日にダミーを解体してみて初めてわかることがたくさんあり、
宿題もふくれあがった。それをなんとかこなして、朝から会場へ。
S嬢と言葉少なに準備に励む。
ずいぶんな寝不足だったけれど、緊張もあってかあまり気にならなかったのだが、
ずいぶんな寝不足だったせいで、あれこれとミスを連発。
なにより、夜を徹して書いたショー用の原稿を忘れたのことにはヘキエキ。
慌てて自宅に戻るはめになった。
それ以外にも紙を切り損ねたり(これ、多かったなあ……)して心の中で「ムキャー!」となる。
◎
さておき。
府中はくらやみ祭りの最中で、満員御礼!というわけにはいかなかったけれど
本に興味のある方々が集まってくださり、
なにより興味津々で話を聞いて、たくさん質問をしてくださったことが
とてもとてもありがたかった。
1時間30分と記載しているけれど1時間もないかもなあ、なんて考えていたけれど
ふたを開けてみれば1時間30分を超えても質問は相次いだ。
本当にありがとうございました!!
その後、ドタバタとすぐに2回目。
(ちょっとの間に学芸員のKさんが「へぇ〜」と「なるほど!」の札を作ってくれた!)
こちらも1回目よりはリラックスすることが出来た。
1回目からずっと聞いていてくださったKさんと友人のM嬢は
2回目も「へー!」とか「なるほどー!」とかステキな反応。
この回は、以前ボランティアでワークショップをお手伝いいただいた方も
「見に来ました!」と足を運んでくださったのが嬉しかったなあ。
GWの怒濤の日々の最後となったこのイベントは
準備は大変だったけれど、晴れ晴れとした気分で終えることが出来て良かった。
25日にもう一度あるので、今回のことをふまえてより深く、よりスムーズな進行で
お届けできるようにしたい。
▽
『まるごと1冊、解体ショー』
日時:5月25日(日)13:00〜/15:00〜(各回1時間30分ほど)
会場:府中市美術館1階 公開制作室【観覧無料】
※特製の本を解体しながら、1冊の本がどのように出来ているかを解説します。
気がつけば5月に突入していますが、それを把握している余裕があまりない今日この頃。
府中市美術館の公開制作『みんなの本棚をつくろう』にどっぷり浸かっています。
幸せなことです。
ゆっくりしたペースではありますが、専用ツイッターにお知らせや日々の進行状態などを
書き込んでおりますので、興味のある方はご覧下さい。
▽
https://twitter.com/syokalab
◎本日のお写真
▷気になるなぁ。ふたつともあんまり見ないタイプだ。
今日はS本さんの気になる「謎」をみんなで聴く。
装飾古墳についていろんな話を聞いたり、写真を見たり。
こういうものは結局、どんなにそれっぽい理屈がついたところで
それが正解ではないし、そもそも正解かどうかを確かめる術もない。
「これなら私たちは納得できるようだ」というのがせいぜいで、
その精度を世界中であげていく世界なのかもなーと考える。
(こんな(↑)言い方は乱暴かもしれないけど、
その行為はとても素晴らしいことだ、と思っています。)
だけど、「なんでだろう?」「これは◯◯かな?」「こういうことだったとか?」
なんてみんなで話をするのはなんだか楽しい。
それはきっと、相手にしているものが「謎」だからだ。
人間はどんなものにも理由や意味や解釈をつけたがるけれど、
(それはとても人間らしいこと、だとも思うけれど)
その一方で答えなんて欲しくないものもある。
だって、答えは面白くもない内容で想像力の翼を暴力的にへしおったりするから。
人間はどんなものにも理由や意味や解釈を欲しがるけれど、
その一方で、自分たちの想像力とその可能性を
「答え」などに邪魔されずに解き放っておきたい生き物でもあるのだ。
それもとても人間らしい、と私は思ってしまうのです。
■
今日ご一緒した方が、
『意味を知る前の方が、意味に触れていた気がします』とおっしゃっていた。
ああ、まったくもってそうだなあ、ぴったりだなあ、とじーんとする。
■
何ごとも最初に生まれた時は純粋であった、ということは信じられるな、と考えてみたり、
それがいつか形骸化するのもどうやら想像できるな、と思ったり。
例えば、私たちが使っている言葉はずっと日本語だけれど、
昔と今とでは随分違うのも、今でも新しいことばが日々生まれているのも
ことばが形骸化して本当の意味がすり切れていくことに対しての
人々の抵抗なのかもなあ、と思えた帰り道。
思考はいつもあっちこっちしている。