11.05.XX 法哲学者と美大

法哲学者の友人がムサビ来校。
ちょうど『博物図譜とデジタルアーカイブ3』をやっているのでそれをメインに学内を案内する。
私が見慣れた光景を物珍しそうに眺めながら「いちいちオシャレですね〜」とのこと。
学生時代から他の大学にほとんど足を運んだことのない私にとってはこれがスタンダードなので
そういう反応は新鮮だ。

図書館の法律関係の書籍の少なさに驚きながら「法律、知っとくといいですよ〜」。
専門が違う人と話をすると、こういう些細な会話も面白い。
哲学の書籍を眺めながら「キレイだ」と笑っていた。

その他、私が授業をする工房や後輩のアトリエ、動物のいるところ、
『ハチクロ』っぽいところ(個人的には1号館前の丸いライトだと思っている)などをうろちょろ。
つれまわした感じがないではないが、どうやら楽しんでいただけたので何よりだ。

法哲学者とデザイナー、全く分野が違うのでお互いの分野がどうなっているのか想像もつかない。
だからこそ相手の分野を、質問で外からツンツンとつついて
(私なんかはきっとアサッテの方向に質問していたりもするのだろうが)、
そこに出来た隙間から出てきたものを材料に話をする。
聞かれた方は自分の分野を噛み砕きながら、伝わるように工夫する。
「知らないが、興味はある」という状態はとても素直に疑問を口に出来るし、他方は専門を伝える行為を練習出来る。
同業者なら特別な説明もいらないようなこともそうはいかない、という状況は狭窄的な視野に
改めて気付かされる贅沢な時間なのだ。