13.12.23 鋸山

今年最後の山へ。
メンバーの都合が一番合う日に設定したもののドタキャン多発につき、結局4人。
本当はもっと高い山が良かったのだけれど、関東の北西は雪が降ってしまって断念、
結果、房総へ行くことになる。登山時間より移動時間の方が長いんじゃないか、と苦笑しつつ。

ハイキングコースと書かれた登山道入口の前には急な階段が
その果てを見せないまま続いている。げげげ。

この階段、誰の歩幅をイメージして設定したのか、ちょまちょましていてすごく登りにくい。
みんなで「このピッチすごくイヤだー!!」と息切れする呼吸の合間に叫ぶ。
正直、ここが一番キツかった…。


▷階段を制したところにある公園にて。この「ウン」には何があったんだろう。


▷Sさんの知人の方を中心に制作されたツリーハウス。
 ツリーハウスって想像以上にずっとしっかりしていて驚いた。
 本当はまだ登ってはいけないのだが、お言葉に甘えて登らせていただく。
 いやはや、すごい安定感。こぢんまりした感じも安心する。寒くなかったら快適だろうなあ。


▷登山道から山頂方面をのぞむ。鋸山は古くから房州石の石切り場としての役割を持ち、
 横浜開港時には神奈川県庁・横浜市・横須賀市などの御用材になったとか。
 いまでも高島桟橋や港の見える丘公園、靖国陣社・早稲田大学の大隈講堂の石塀などに
 残っているそうだ(昭和57年に石切り場としての役目を終えた)。やるなー。
 ちなみに写真右上は有名な「地獄のぞき」です。


▷石切り場に残る当時の名残。「トヨタショベルローダ/豊田自動織機製作所」と
 書かれていた。時代を感じる。


▷O氏が「あ、『いいね!』だ」と言う先に数十年前のサムズアップ。おお、ほんとだ。


▷石切りの痕跡。手で触るとほろほろとしていて、思いのほか柔らかかった。
 ちなみにここ、どのくらい大きいかと言うと…


▷こんな感じ。手すりの所に友人たちの姿があるのでどのくらい高くて大きいかわかるだろうか。


▷千葉は関東平野が広がっていて、平べったい。幼い頃にそれを意識したことはないけれど、
 大きくなって、山を見るたびに「わー!山だ―!!」とはしゃぐ自分に
 山のない場所で育ったことを痛感した(北部育ちなので余計だ)。
 調べてみたら最高峰は標高408mで、海抜500m以上の山がない全国唯一の都道府県なのだそうだ。
 そりゃあ、山見てはしゃぐよなぁ。うん。
 この景色は千葉の貴重な山々の姿。
 キリッとしているというよりもエッジがとろけ気味なところがいとしい。


▷山頂にある日本寺の百尺観音。このお寺、724年に聖武天皇の勅命と光明皇后の令旨をうけて
 行基が開創した関東最古の勅願所。す、すごいな。由緒正しいのであった。
 千葉もなかなかすごいのであります。えっへん。


▷地獄のぞき。鋸山の名スポットですが、実はその場に立つとあんまりコワくない。
 横から見ている方がぞくぞくするかもな。でも景色はとても良いです。


▷トンビがたくさん飛んでいて、とても近くでみることが出来る。
 (食べ物には要注意。よく見てるんだよなあ!)
 この2羽はなにか争い中。飛ぶトンビの背が見えるってすごい。

山頂にて冷風にさらされながら、昼食をお腹に押し込む。
Sさんがリュックの中で冷え冷えになったおにぎりを食べて胃の腑から身体が冷えると
言っていた。そんなこともあるのか、と新鮮。
でも確かにご飯を食べても身体があったまらない…。みんなが麓で買ったホットのお茶は
すっかり冷えきっていて役に立ってはくれなかったのでそうそうに退散する。


▷東京湾の凪に淡く光が落ちていて、きれい。


▷像たちがとろけていると聞いてきた日本寺。そういう像もいくらかあったけれど
 それよりも岸壁が全体的に不思議にとろけているのが面白い。石の性質なのだろうか。

たくさんの羅漢像や奈良の大仏より大きいという大仏さまを拝見しながら下り、
ロープウェーで麓へ下山。


▷あ、硬券だ!!うひょひょ。

そこから、少し歩いてSさんの知人が参加している『KANAYA BASE』へ。
私はなんの前知識もなく訪ねたのだけれど、元ホテル&植物園だった空間は
広々としていて、昔の気配を残した不思議さがあった。
家の近くにこんなシェアアトリエがあったら、どんなにかいいだろうと
とてもうらやましくなった。そうしたら積年の悩みは解決するのになあ。
(東京のシェアオフィスなどはやっぱり空間的にゆとりがないことが多い。
 金銭的な負担もやっぱり随分違うのだ。)
これからもぞくぞくとリノベーションが進むそうだ。

BASEと海の間に作られたオープンスペースデッキから
夕陽が沈んでいくのを眺めて、いい景色だねえ、とのんびり。
初めてハンモックを体験したけれど、あれはいいものです。


▷電線にたくさん止まっているのが小鳥たちではなく、トンビってところがすごい。

電車を乗り継いで、東京へ戻る。
年内最後の山だったので忘年会も兼ねた打ち上げをして、締めくくり。
今年も1年間、みんな元気で山に行って帰って来れてなによりでありました。

◎本日のお言葉
「おしゃれは我慢(とは言うけれど)、我慢はおしゃれ(は成り立たない)」