11.08.22 秀逸な道具

今日は展覧会の仕事で、カタログの1回目の色校正に立ち会い。
富山からKさんとTさんがいらっしゃる。

Tさんが実物(貴重書)とプルーフを見比べながら校正をするのを眺めていたら
見たことのない道具が手元に。
気になってそわそわ、そわそわ。我慢出来ずに「これ、なんですか?」

聞いてみると、CMYとRGBのフィルターで、それを覗きながら印刷したものを見たり、
実物を見たりして、どの色味をどの程度増減したらいいかの参考にするための道具だった。
各色、5%、10%、20%の濃さのフィルムがあるので増減量はそこではかることが可能。
例えばY5%のフィルタで印刷物を見た時に実物と近ければ、Yを+5%すれば実物に近づくことが出来、
また同じフィルタで実物を見た時に印刷物と近ければYを-5%すれば実物に近づくことが出来るのだ。
(余談だが、Kさんいわく色の調整は部分的にあちこちいじるより、全体で調整して出来ればその方がいいとのこと。
 その方が画像自体に無理が出ないのだそうだ。 なるほど。あんまり狭視野であちこちいじってはいかんのだな。)

秀逸な道具だなー!!(大興奮!) 思わず鼻息が荒くなる。

ちなみにこの道具、必要であればCとY、CとMなどと組み合わせて使うことも出来るらしい。
実際に重ねてみると、組み合わされた色はとても綺麗な混合色となる。フィルムも優秀だなー!

すでに絶版(書籍扱いだった)となっているらしいが、
(「今どきこんな道具を使う人もあんまりいないですよ」とのこと。「でも便利なんですけどね…」とも)
実物との色校正をする人間には夢のような道具で、うっとりしながら眺めてしまった。

ある用途に特化したシンプルな道具というのは存在自体が美しい。
こういう道具みたいな人間になれたらかっこいいなあ…などと考える。