11.07.10 山登り(長文)

あまり寝付けないまま朝。
06:25に国分寺集合で、同行者のO氏(最近週一で山に登っている)とT氏(もとワンゲル部)と合流。

まずは武蔵五日市駅からバスで払沢の滝入口へ。そこから10分ほどのところにある払沢の滝に向かう。
すでにじりじりと暑いので、滝へ来るととても涼しくて生き返るようだった。


▷払沢の滝。地元の人は犬の散歩などで気軽に訪れている。


▷滝壺には虹。


▷飲料水として使われる水源らしいが、確かに水がとても綺麗。

そこでしばらく過ごしてからいよいよ本日のコースへ突入。

◎本日のコース
千足→天狗ノ滝→つづら岩→富士見台→大岳山頂→白倉バス停→十里木バス停→潮音の湯→武蔵五日市駅

道路に沿って千足へ向かう間にすでに汗だく。目の前は山で囲まれ、O&T氏によると目の前にある山が
大岳山だという。「いやいやいや!」だの「うそーん!」と言いたくなるような(実際言った)高さである。


▷奥にみえる山のてっぺんが本日の山・大岳山。

村のおばあちゃんがとても親切に天狗の滝へ向かう入口を教えてくれて、ほっこりしつつ道に入る。

O氏→私→T氏の並びで進む。すぐに結構な坂道になり、ふくらはぎの後ろがずーっと伸びている。そのことがキツい…。
が、後から考えればこの道なんて全然マシであった(舗装されていたし)。
山道に入ってからもずーーっとふくらはぎの後ろが伸びっぱなし。ううう…。
植林されていることがわかる風景ながら、踏み固められた道以外にはうっそうと植物が生えていて「山」っぽい。
杉の間から差し込んでくる光がキラキラしていて緑色とのコンビネーションが美しいのだが、
それを楽しむ余裕はあっという間になくなり、ぜーぜー言いながらO氏のあとを追う。
ひたすら足下を見ながら歩き、時々目を上げると「うひゃー!」というような急な上り坂。


▷結構な急勾配なのに写真じゃあ全くわからない…。


▷これは天狗の滝の少し先の風景。

でも弱音を吐いても何の意味もないことだけは直感的に感じられたので、
心の中で密かに「弱音は吐くまい」と目標を決めてせっせとついていく。
途中、なにかのフンが道に。少し前に『クマが出ました』という看板があったので
「フン=クマ」という式が頭に浮かんでゾゾーっとする。
ないよりはいいかな…と持って来ていた鈴をちりちり鳴らしながら進むことにする。
頭の中ではクマに出会った時のことを妄想するが、勝ち目はなく、
しかもイメージが『流れ星銀』の赤カブトなのでずいぶんタチが悪かった。

天狗の滝に(個人的には)やっとのことで到着。水が冷たくて気持ちいい。

歩いている時は気にならないのだが、気付けばズボンの中が汗でビッチャビチャに。
それを言うと「山ではそれ、ぜんっぜんおかしくないから。みんなそうだから」とT氏。そういうものなのかー。
山にはあまりトイレがないので、行きたくなったらどうしよう…と思っていたが、水分は汗で出て行ってしまうことが
わかってきたのでとりあえず遠慮せずに水を飲む。


▷道中、クモ(切れ毛っぽいので「切れ毛グモ」と呼んでいた)がたくさんいる。
 足下をちょろちょろと同行するのでなんだか「コダマ」っぽかった。

ちょっと休憩してから更に上を目指す…が、ここからが今日一番の難所。
何もこんなところ通らんでもー!というような急な坂道が延々と続く。下りなど一切なし。


▷これが(まだ道らしい感じの)道。

ずーーーーーーっとふくらはぎの後ろが(以下略)。数歩行っては休み、数歩行っては休みしながら登る。
酸素が薄いわけではないのだが息が吸いづらくてゼーハーゼーハーいう。
この辺りで随分後ろから来ていた年配の方に追いつかれて先を譲る。彼らが颯爽と登っていくのをみて
「年齢とか全く関係ないな…」と思う。実際、この日出会った年配の方はみんな颯爽と登っていてびっくりした。

ようやくつづら岩まで出たので、少しはマシかと思いきや、相変わらず大変な道のまま。
つらいとかキツいとか思っている余裕は全くなく無心で進む。眺望が開けても「あー…」くらいしか言葉にならない。


▷向こうに見えるのが目的地。随分登ったけれど、まだまだ先は長い。

やっとのことで富士見台に到着。先ほど追い越していったご夫婦に梅干しをいただいて生き返る思い。
ご夫婦はやっぱり颯爽と出発していった。
私はといえばおにぎりを咀嚼する気力すらなく、ラクダみたいな具合ですりつぶすように食べている上、
反応も鈍くて2人に「表情が菅直人みたいだ」とか「新しいタニダが出てる」だとか言われる。
それでも休憩してエネルギーも補給したので少し元気になり、改めて山頂を目指す。
尾根に出たので少しの間は歩きやすくてほがらかに話していたが、山頂前の神社につく頃にはふたたび黙々。


▷尾根の道。両脇は急斜面。

この頃になると御岳山の方から来た人たちと行き交うようになり、ねぎらい、情報交換をしながら進む。
ホラ貝を吹きながら地下足袋で進む一行にも出会い、すごい肺活量だ…と尊敬。
神社前の広場で出会った人たちも年配の方が多いのだが、みんな疲れもみえず、これまた尊敬。


▷大岳神社(大嶽神社)は徳川幕府の江戸城守護の祈願が行われていたとか。


▷狛犬様がかなりカワイイ。


▷本殿の横に祀られた岩。

山頂には行って戻ってくるからと、その広場に荷物を置いて「なんじゃこりゃー」という岩をよじのぼり、
やっとのことで山頂に到着し、記念撮影。ここまでで約5時間ほどが経過していた。


▷なんじゃこりゃー!を登る。


▷大岳山は奥多摩三山のひとつ。


▷三角点の上にて。

思いのほか水分を消費していたので、O氏と「降りたら炭酸飲料を飲むぞー!」と妄想しあっていると
T氏は半分あきれながら「ここにジンジャーエールがあったら1000円でも買う?」と笑っていた。
考えてみたが、冷え冷えだったら1000円でも買うなーと思った。オソロシイ。

ふたたび広場に戻って下山の途につく。腕を大きく振ってみたら足も勝手に出てくるので進みやすいことを発見。
この頃になると遠くで雷がゴロゴロと鳴り出して、雷が来やしないかとヒヤヒヤしながら
一気に900m下るルートをせっせと進む。
ちなみにワンゲルなどでは下山の際、男子だけだったりすると走って下ることがあるらしい(T氏談)。なんてことだ。


▷下山ルートの風景。

途中一度の休憩を挟んでなんとか山を下りきり、舗装道路に出る。バンザイ! バンザーイ!


▷バス停までの道に落ちていたタコさんウインナー(=ザクロのガク)。

近くのバス停まで出て、目の前にあった商店の自動販売機にすがりつき、一気に水分補給。うーまーいー!
山からひいている水で顔を洗わせてもらって人心地ついてから、バスで最寄りの温泉へ。

汗だくだったのでさぞ気持ちいいだろう!と温泉の建物に入るとたくさんの人で行列ができていて、
温泉ってならんだりするところだったっけ…と3人とも若干ひいたものの、予定どおり温泉に入って、さっぱりする。
そして打ち上げ。建物内にあるレストランのほとんどのメニューを食べ尽くし「あー楽しい!」と盛り上がる。
この頃にはどんな風に大変だったかすっかり忘れていて、大変だったけど楽しかったなーという気分だけが残る。
だからきっと山登りはクセになるのかもしれない。

西東京在住の3人にとって奥多摩方面へ出るのは想像以上に気軽なことで、
こりゃあいいね、と言って本日の山登り終了。次はどの山へ登ろう。 

◎今日の山学習
・クマよけの鈴は欲しい(気分的に)
・飴はもっとたくさん持って来た方が良かった(10個持っていった)
・梅干しを持っていると良さそうだった(身体にしみる)
・水分は多めに持っていった方が良い(夏だし)
・タオルはもう1枚あるといい
・トイレットペーパーは持参すること(今回はO氏に借りた)

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◎本日の読了
『空色勾玉』荻原規子 徳間文庫